いつの間にか、君に恋していたんだ。


太陽君に渡すより緊張する……


「……なるほど。ごめん、伊鳥。ありがとう」


「いえ」


輝楽さんはちゃんと受け取ってくれた。


「食べていい?」


「はい、いいですよ。でも、ちょっと待っててください」


温めるために皿に移し替えて、電子レンジに入れた。


だいたい10秒くらい。


終わると、部屋へと持っていった。


「輝楽さん、どうぞ」


「いただきます」


ドキドキしながら、反応を伺っていると……


「美味い」


その言葉に嬉しくなる。


「ほんとですか?」


「あぁ」


それと同時に安心した。


お菓子作り不安だったけど、由香ちゃんや咲に教えてもらっておいてよかった。


「ビターなんだ」


「はい、輝楽さんに好みに合わせて作ったんです」


ちゃんと覚えてますよ。


輝楽さんとの他愛もない話も。


「嬉しいな」


「喜んでもらえてよかったです」


呑気に笑った私だけど、思い出した。


一応、輝楽さんに聞いとかなきゃ……  


「輝楽さんって、大学でチョコもらったりしましたか?」


私の顔はきっと不安に染まってる。


でも、輝楽さんはそんな私の不安をすぐに取り除いてくれた。




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