いつの間にか、君に恋していたんだ。
「伊鳥以外からのをもらうわけない。相手もそれは分かってたみたいだし、今年は受け取ってないよ。俺は伊鳥以外からのはいらないし、欲しくないから」
きっぱりとそう言ってくれた輝楽さんに嬉しくなった。
ほんと、私って嫉妬深い。
でも、こんな私も受け入れてくれるから、前よりは素直に言える。
「珍しく嫉妬してくれた?」
「いつもしてますよ。輝楽さんにいちいち言ってないだけで」
私の心は不安定で、いつも不安に思ってしまう。
輝楽さんが他の人を好きになってしまうんじゃないかって。
輝楽さんが私のことを飽きてしまうんじゃないかって。
きっと、この不安はいつまでもつきまとっていくんだと思う。
輝楽さんを好きでいる限り。
でも、輝楽さんと一緒にいる時間は幸せに変わりなくて……
「絶対、よそ見しちゃダメですよ」
「こんな可愛い彼女がいるのに、よそ見なんてするわけない」
相変わらず、甘いセリフ。
ここままだと溶かされてしまいそう。
「伊鳥」
「はい」
名前を呼ばれて上を向くと、とびきり甘いキスをしてくれた。
「伊鳥、好きだよ」
「私もです」
輝楽さんは優しく笑っていて、輝楽さんの目から見た私も幸せそうに笑っていた。
fin