いつの間にか、君に恋していたんだ。


「入りますね」


返事はなかったけど、勝手に入らせてもらった。


男の人の部屋にしてはきちんと整頓されている部屋。


全く散らかっていない。


綺麗好きなんだろうな、輝楽さんって。


なんてことを思いながら、輝楽さんが寝ているベッドに近づいた。


そっとベッドの方に身を乗りだすと、スヤスヤ眠っている輝楽さんが。


……こうして見ると、本当に整ってる。


奈々美さんが言っていたことも納得できるよ。


輝楽さんの顔をそのまま見つめてると、


「シオリ……」


輝楽さんがそう苦しげに呟いた。


寝言だよね……?

目をつむってるのを確認してから、考える。


シオリ……


輝楽さんの恋人かな……?


女嫌いなのに恋人がいるのかなって思ったらびっくりだけど、妙に納得してしまう。


こんなに顔が整ってるんだもん。


そりゃあ、彼女さんがいるよね。


なのに、何だろう……


このスッキリしない気持ちは……


釈然としない気持ちのまま、ずっと輝楽さんの寝顔を見ていると、


「いつまで見てるの?」

寝ていたはずの輝楽さんが突如目を覚まし、体を起こした。


「き、輝楽さん。もしかして、起こしちゃいました?」


「まぁ、あれだけじっと見られてたら」



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