いつの間にか、君に恋していたんだ。
誘い
太陽君の家で家事をし始めてから、初の休日。
「早く、洗濯物干してよ!」
「掃除ももっと綺麗にしなさい!」
あれこれ命令される。
まるで、シンデレラみたい。
正直、平日よりも休日の方が辛い。
だって、裕美さん達といる時間がより長いから。
「はい、分かりました」
でも、特に反論はできなかった。
結局弱いままの私。
すぐに言われたことをこなした。
もうそれが私の癖になっていたんだ。
家事を完璧にこなす、それが私のここでの仕事だから。
それらが全て終わったタイミングで、太陽君からラインが来た。
【今から、俺達の家に来て!それと、スケッチブックを持って来て!】
スケッチブック……?
どうしてスケッチブックを持っていかなきゃいけないんだろうと思ったけど、迷う余地はなかった。
口実ができた……!
「全部終わりました。神崎君の家に来てってラインが来たので、今から行ってきます。昼ご飯はすみませんけど、裕美さんが作ってください。その代わり、夜は豪華にしますから」
「分かったわ。じゃあ、今夜は私と奈々美の好きな物を作ってもらうから」
「輝楽さんのとこ行くのね。この前言ったこと忘れないでよ?」
「はい。じゃあ、行ってきます」
一応、一言言ってから家を出た。
スケッチブックをちゃんと持って。
何に使うのか分からないけど、必要なんだよね。
向かっていると、その途中で……