いつの間にか、君に恋していたんだ。
その2人が来ないんだったら、行こうかな。
もう逃げたくないし。
「うん、行くよ」
「やった!待ってるからね。きっと皆喜ぶよ!特に男子は」
「私なんかが来ても喜ばないと思うよ?」
私は自慢じゃないけど、クラスの中心人物じゃなかった。
確かに、だいたいの人とは仲良くしてたけど、好かれてはないと思う。
中学生の時は、とても充実してたけどね。
「何言ってるの!絶対喜ぶから!女子でも伊鳥ちゃんのこと好きだって人多いんだよ!?男子なんて、ほとんどの人が伊鳥ちゃんのこと好きだったんだから!」
「そんなわけないよ」
女の子はともかく、男の子まで私を好きになるわけない。
私より咲の方が……
思い出して、また辛くなった。
目の前のきーちゃんの前でそんな顔するわけにもいかないから、なるべく顔に出さないようにしてたけど……
「もう相変わらず鈍いなぁ。無自覚にもほどがあるよ……」
「何て言ったの?」
「ううん、何でも」
小さく呟かれたから、聞こえなかった。
聞き返しても教えてくれなかったけど……
「それより、さっきから辛そうな顔してるけど……もしかしてら裏切られた時のことを思い出しちゃったの?」