いつの間にか、君に恋していたんだ。
顔の輪郭からまず描いていく。
その次に髪、目、鼻、口……次々に描き進めていった。
描き進めていたら、いつの間にかさっき思っていたことなんて忘れてる。
ただ夢中になって描いていた。
楽しい……!
まだやっていたい……!
無意識に口角が上がっていた。
それを輝楽さんがじっと見ていたことに気づかずに、仕上げていった。
3分くらいかな……?
時間が経って、ようやく絵が完成した。
「できたよ」
「おっ、見して!」
こっちに来て、私の描いた絵を覗き込む。
由香ちゃんの時もそうだったけど、本人に見られるの恥ずかしい。
不快にさせてしまうかもしれないし……
ドキドキしながら、反応を窺っていると
「うん、上手っ!俺にそっくり!むしろ、俺よりイケメンかも!」
「そんな……褒めすぎだよ。色無しのつまらない絵だし、そこまで似てないし」
「伊鳥って何でそんなに謙虚なの?これ、絶対上手いじゃん!クラスの皆に見せたら絶対皆上手いって言うだろうよ!」
太陽君は少しオーバーすぎる.
こんなのプロの人だったら時間を使わずにちゃちゃっと描いちゃうんじゃないかな……
って、それは当たり前だよね。