いつの間にか、君に恋していたんだ。
「伊鳥ちゃんが困ってるでしょ!伊鳥ちゃん、こっち来て」
「あ、うん」
手を引かれる。
「ありがとう」
「いえいえ。伊鳥ちゃんと話したいんだろうね。特に男子は。でも、まずは梓達と話さなくちゃ」
連れていかれたのは、美術部に入っていたクラスの女の子達のところ。
目が合うと、私からそらした。
だって、気まずいから。
あずちゃん達は、私のことを恨んでないのかな……?
顔を合わせられなくて、俯いていると……
「久しぶり、伊鳥ちゃん!」
「うわぁ、相変わらず可愛い!」
「ほんとそれだよね!」
怒ってなさそうな声に顔を上げると、皆にこにこしていた。
誰もがあの時のことなんて忘れたように……
「久しぶり、皆」
「うんうん!そういえば、伊鳥ちゃん。あの時のこと自分のせいって思ってるんだって?」
多分、きーちゃんから聞いたんだろうな……
「そうなの!?あれは伊鳥ちゃんのせいじゃないからね!」
「そうだよ!伊鳥ちゃんが責める必要ないから!」
次々と私を庇ってくれた。
救われた気持ちになるけど、罪悪感は消えない。
一生消えることはないのかもしれない。