いつの間にか、君に恋していたんだ。


そう言ってくれたのは、きーちゃん。


おかげで、喧嘩は止まった。


ありがとう、きーちゃん。


目でそう言うと、ウインクが返ってきた。


さすが、きーちゃん。


様になってる。


そのまま男の子達とおしゃべりしながら食べた後、女の子達のところへ戻ろうとすると……


「あ、待って!琴月さん!」


呼び止められてしまって、振り返る。


「どうしたの?」


「あのさ、女子のとこ行く前に写真撮ってほしいんだ。もう会うことはほとんどないだろうし。いい?」


「うん、それはいいけど……」


「やった!」


突然のお願いに困惑してしまったけど、頷いた。


私なんかと写真撮って何が嬉しいんだろう……?


芸能人ってわけじゃないのに……


そう思いながら、その人の隣に立つ。


「はい、チーズ!」


その声と共に、シャッター音が聞こえた。


「ずるいぞ!俺とも撮って!」


「俺も、俺も!」


その人と撮ってから、何故か私と写真を撮りたいって人が増えた。


撮り終わったら、また別の人と撮って……それの繰り返し。


ほんとに、芸能人かなにかと思われてるみたい。


何か勘違いしてるんじゃないかって思いながら、撮りたいと言ってくれた人と写真を撮った。


「あー、何それ!私も撮りたい!」


「私も!」 


ついには、女の子達にまで言われて。



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