いつの間にか、君に恋していたんだ。


「その話はいいでしょ。それより、残りの時間を有意義に使おうよ!」


「確かにそうだね」


「そうだな!」


話が変わった。


多分、きーちゃんは気づいてる。


だから、話をそらしてくれたんだ。


きーちゃんに目を向けると、きーちゃんも私を見て目が合った。


心配そうな瞳。


私は大丈夫だよという意味も込めて、笑ってみせた。


それでも、きーちゃんは心配そうだったけど……


それから、同窓会が終わるまで楽しく過ごした。


面白くて笑ったり、一緒にスイーツを食べたり。


すると、あっという間に時間が過ぎてしまった。


「うわ、もうこんな時間か」


「早いなー」


楽しい時間はすぐに終わるっていうのは、本当だね。


これで終わりだからもう帰ろうと歩きかけた時に、男の子に話しかけられた。


「琴月さん」


その子は真剣で、何か聞きたいことでもあるのかなと思って立ち止まる。


「どうしたの?」


「あのさ、しょうもないことなんだけど……」


しょうもないこと……?


じゃあ、真剣な話じゃないんだ……?


表情と合わないその言葉に首を傾げる。


「琴月さんって、今彼氏いる?」


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