いつの間にか、君に恋していたんだ。
「太陽君のお兄さんから預かったんだよ」
「あぁ、そういえばさっき騒ぎになってたな。ありがとう、琴月さん!太陽のやつ、喜ぶと思う!」
「私は何もしてないよ。ただ届けに来ただけだから。太陽君には輝楽さんにお礼を言うように言っておいてね。じゃあね」
もうお昼休みが終わっちゃうから、由香ちゃんと別れて自分の教室に戻った。
ちゃんと渡せたし、よかった。
それにしても、視線を感じる。
それは1日ずっと続いた。
「何なの、琴月伊鳥!」
「ズルイよね。太陽君と仲良いみたいだし、絶対頼んで仲良くなったよね」
「可愛いからって調子乗んなっつーの!」
リボンの色から、先輩であることが分かるけど……
私、先輩にもこんなこと言われてるんだ。
あの人達は輝楽さんのことが好きなのかな……?
「は?何、あいつら。ちょっと絞めてくるわ」
「えっ、あ、いいから。そんなことしないで、由香ちゃん」
今にも殴っていきそうな由香ちゃんを何とかなだめた。
「本当にいいの?伊鳥は」
「うん。いいから、いいから」
由香ちゃんは不満そうな顔をしてたけど、諦めてくれた。
それにすごくホッとする。