いつの間にか、君に恋していたんだ。
「心配。さいあく、私が守ってあげないとね」
由香ちゃんのその言葉に目をパチパチさせる。
頼もしい言葉だけど、何から守るの?
言葉の意味を考えていると……
「伊鳥は知らなくていいのよ。行きましょう」
「あ、うん」
はぐらかされたような気もするけど、気にせず教室へ。
ギリギリの時間になるまで、一緒におしゃべりした。
そんな時間もすぐに終わって、始まる授業。
私は勉強が好きってわけでもなければ、嫌いってわけでもない。
だからといって、頭よくもないんだ。
この学校は408人いるんだけど、私のテストの順位はだいたい20位くらい。
10位以内に入ってるわけじゃないから、特別頭良いとも言えないんだよね。
運動もそんなにできるわけじゃないし、本当に中途半端だなって思う。
なんか、特出したものがほしいなぁ。
授業が聞きながら、ため息を吐いてしまった。
長い授業が終わって、ようやく放課後に。
「伊鳥、今日部活ないから一緒に帰ろ!」
「うん、ちょっと待ってて」
由香ちゃんがわざわざ私の教室まで来てくれて、鞄を持って急いで由香ちゃんのところに行く。