無糖紅茶とバタークッキー
「ご予約されていらっしゃるのでしたら、どうぞこちらにお進みください」
ニコニコ可愛い女の子の店員さんは、ごった返している通路とは別の通路に案内してくれて、秒で無事にケーキを受け取ることができた。
よ、よかった…!
ビビりなわたしは、あの密以外なにものでもない場所に混ざらなくて済んだ事に心底ホッとして店を後にして足早に帰路へ。
そして、彼が帰ってくるタイミングを見計らってディナーの準備。
程なくして彼が帰ってきて、堪らずケーキを見せてしまった…。
嬉しい物事を隠すのが何より苦手なの。
だからいっつもサプライズが出来ない。
でも、ケーキを見た彼は思いの外驚いてくれて、
「え、タルト?美味しそう!」
と、凄く喜んでくれた。