無糖紅茶とバタークッキー
明日、何が起こるかわからない。
明日どころか、この一秒先に何か起こるかも知れない。
そんなどうしようもない事を恐れて。
幸せを感じれば感じるほど怖くて不安で。
だから泣いていたんだ。声を殺して。
でも、それでも彼は寝ていてもそんなわたしに気付いてくれて
「どうしたの?悲しいの…?」
って、寝惚けながらわたしをその温かな腕のなかに包んでくれるの。
その優しさが嬉しくて愛しくて苦しくて悲しくて涙が止まらなかった。
彼は、よしよしと片手で抱き締めながらもう片方の手で子供のように泣きじゃくるわたしの頭をふんわりと撫でてくれる。
泣いて泣いて、涙がやっと止まった頃
彼はわたしを抱き締めながら眠っていた。
…きっと、明日このことを彼に話しても覚えてないんだろうな。
無意識にこんなことをしてくれる彼が、大好き。