夢物語でも語らせて

女子の甲高い笑い声。

制汗剤の鼻をつく匂い。

夏休み前の浮かれた空気の教室で、ひとり今朝の光景が頭から離れずにいた。

あずさ…。

そういえば、高校に入ってからちょっと大人っぽさが増したかも…。

チャイムがなる。
一時間目の担当の先生が、それなりの出欠をとって、授業を進めていく。

あずさ。なんで教えてくれないんだろ…。

恋。してる顔、してた。

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