DOLCE VITA  ~ コワモテな彼との甘い日々

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披露宴会場は、チャペルに隣接したレストラン。
料理はカジュアルフレンチのコース。

招待客は百人以下。親戚と友人、ほんのちょっぴり会社関係者という割合なので、会場は雑談と笑い声に満たされて、堅苦しい雰囲気はない。

柚子の両親が経営するウエディング関連会社の宣伝も兼ねているため、式次第はオーソドックスなもの。

入場、乾杯、ケーキ入刀、スピーチ、お色直しを挟んでのキャンドルサービスに代わってドラジェを配り、余興はプロの音楽家によるアンサンブル。祝電披露、両親への手紙、花束贈呈、閉会、ゲスト見送り。

これらを二時間の枠で滞りなく済ませるには、不測の事態が起きないよう事前の調整が必要不可欠だ。

席順はそのもっともたるもので、一触即発の二人を隣同士にするなんてリスキーなことは、決してしない。

当日発覚した場合でも、何らかの手を打って、どうにかするものだ。


柚子以外は。


「……どういうことなのか、ご説明願えますか」

「どういうことと言われてもなぁ……。隼人は俺の秘書で、隼人の恋人がもかの友人だとは知らなかっただけだろ」

「そうじゃなくっ!」


バン、とテーブルを叩きそうになり、ぐっと手を握りしめる。


「どうして……言ってくれなかったんですか。組が、あの組じゃなく、(株)辛島組だって!」

「あの組……? 兄貴の会社のことをどうしてわざわざ言う必要がある?」

「そう、そうですけど、でも、なんで建設業だなんて……」

「勤め先は西園寺建設だ。建設業だろう?」

「そうですけどっ」


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