DOLCE VITA ~ コワモテな彼との甘い日々
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柚子の結婚式、二次会はナシというスタイルだったので、マンションへ帰り着いたのは宵の口だった。
片づけなければならない仕事があるという辛島さんとは、一旦会場で別れた。
部屋に来るのは八時以降になりそうだというので、シャワーを浴び、ちょっと豪華なディナーを作ってもまだ、時間に余裕がある。
何かしていないと落ち着かないので、普段後回しにしがちなクローゼットの整理に取り掛かろうとしたタイミングで、電話が架かって来た。
「もしもし?」
ディスプレイには見慣れぬ番号が表示されていたが、辛島さんかもしれないと思って、応答したら、思いもよらぬ声が聞こえた。
『桃果?』
「……優也?」