DOLCE VITA ~ コワモテな彼との甘い日々
「姐さん。あのひと、日本じゃモテないけど、それ以外じゃモテモテなんっすよ。姐さんにフラれた日にゃ、あちこちに現地妻作りまくって、ハーレム作るかもしれねぇ。んなことになったら、俺とタツが梅乃姐さんにどんな目に遭わされることか……」
辛島さんの体格は欧米ならさほど目立たないだろうし、時々妙に色気を醸し出すので、モテるというのもわかる。
ハーレムとまではいかなくとも、港々に現地妻ならぬ現地恋人を持つのも、不可能ではないかもしれない。
金髪の美女や黒髪の美女を侍らせる辛島さんを想像したら、なんだか胸がムカムカした。
「見てくれはアレですけど、トラさんはイイ男っすよ」
「……うん」
「ぜってぇ、幸せになれますって」
「……だと思う」
「それに……あのひと、いい父親になると思います。もし、自分で親を選べるんなら……俺、トラさんにオヤジになってほしかった」