看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
「あなた、涼ちゃんが来てくれたわよ」

「ああ。入ってもらえ」と奥の診察室から日高先生の声。

「涼ちゃん、入って」

「はい。失礼します」

「おお、涼太朗。体調はどうだ?」

「まだ咳は出ますが、日中はまだマシですね」

「そうか。さっき、ワシにも田中くんから連絡があったよ」

「田中くん?」

「ああ。総合病院でお主を診てくれただろ?」

「ああ。そう言えば、ちゃんと名前聞いてなかった…」

「レントゲン画像の話は聞いたな?」

「はい」

「来週、ワシもついていくからな」

「ありがとうございます」

「今後の事は、結果が出てからだな」

「はい。また、相談にのって下さい」

「もちろんだよ」

日高にとって、孫の様な存在の涼太朗。
涼太朗にとっても、祖父母の様な存在だ。診療所には、涼太朗の作品が多数置かれていて、涼太朗自ら日高夫妻に贈ったプレゼントだ。

それから1週間、涼太朗は無心に陶芸に没頭した。

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