看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
「田中くん、涼太朗は頑固でな。決めた事に突き進む。ワシは、涼太朗を全力で最後までサポートするよ。協力してもらえないか?」

「それはもちろん。わかりました。無理だけはなさらないように」

「はい。ありがとうございます」

ふたりは、病院を後にした。

帰りの車では、日高先生と涼太朗が話し合う。

「涼太朗、病気のお主がひとり暮らしは難しい。だから、お主が作品作りに没頭したいなら、看護師をひとり涼太朗自身が雇うのはどうじゃ?」

「…。それは、住み込みって事ですか?」

「そうなるな。人見知りのお主には気苦労があるかもしれんが、ワシは出来るだけ長生きしてほしいと思っている。今でも本当は治療を受けてほしいのが本音じゃ。人選は、ワシの信頼出来る後輩に頼むから、お主も前向きに考えてくれないか」

信頼する日高先生の提案だ。
「わかりました。お願いします」
と受け入れる覚悟をする涼太朗だった。

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