看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
「私にお話ですか?」

「ああ。勤務終わりで申し訳ないが少し付き合ってもらえるか?」

「はぁ…」院長先生の話は全く想像できない。看護師長ではなく、院長先生直々にお話って何かしたかな?と首を捻る果歩。普段お会いする機会ですら殆どないのだから…

一度出た病院内に戻り、院長先生の後をついて行く。そして、普段入る事のない院長室に着いた。

「入ってくれ」

「はい。失礼します」緊張する果歩。

「そんな緊張しなくていい。そこのソファに掛けてくれ」

「はい」

初めて入る院長室。緊張しないなんて無理な話だ。

「コーヒーで良かったかな?」

「はぁ…お気遣いなく」

「私も飲みたいんだ」と部屋の片隅に置いている立派なコーヒーメーカーで院長先生自らコーヒーを入れてくれる。

< 24 / 100 >

この作品をシェア

pagetop