看取り愛～あなたの子は大切に育てます～

初対面

決まれば出来るだけ早く来て欲しいとの依頼で、果歩は翌週には車に荷物を積み込み向かっていた。

夜勤も多く不規則な生活の為、車を所有していて良かったと思う。病院の近くに住めばいいが、仕事とプライベートにメリハリをつける意味も込め、車で２０分位の近すぎず、遠すぎない距離に住んでいるのだ。

その家を1年以上空けるのだ。冷蔵庫の中を空っぽにし、他にもこの機会にと大掃除をした。

これからの覚悟と共に、車を走らせる。

車で2時間走った頃、高速を下りる。そこからは、ただひたすら山奥に向かって進むのだ。高速を下りた所には、コンビニやスーパーや飲食店があったが、段々無くなって行き人里離れた村に着く頃には、最後にコンビニを見てから30分以上経っていた。