看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
その疑問にはキッチンにいた尚子が答える。
「涼ちゃん、よく寝たわね。紹介するわ。今日から、涼ちゃんの看護師として来てくれた花巻果歩ちゃんよ」

「…。ああ」

「もう、涼ちゃんったら、相変わらず人見知りなんだから」

「果歩ちゃん。こんな涼ちゃんだけどよろしく頼むわね」と尚子に言われやっと我に返る果歩。

「は、は、はじめまして。花巻果歩です。涼太朗先生よろしくお願いします」

「ああ。先生は止めてくれ」

「はあ。では、涼太朗さんよろしくお願いします」

「さあさあ、自己紹介はこれ位にして夕食にしましょう。今日はお鍋よ」

果歩は、まだ戸惑っている。自分がお世話をするのが有名な陶芸家の『橘涼太朗先生』で、しかもビックリする位の男前。全く世間には公表しない理由がわかった。他言無用の意味をシッカリ守らなければと改めて思う果歩だった。




< 39 / 100 >

この作品をシェア

pagetop