看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
両親の亡き後は哀しみの中、両親が応援してくれた陶芸に更に没頭した。

人と会わない方が気が楽だ。時々来てくれる日高夫妻に高木さんで充分だ。

食料品は、心配した尚子さんが定期的に頼んでくれるので、配達で届く。

このままの生活が何十年も続くと思っていた。

まさか、自分が病気で余命1年と言われるとは…

だが、不思議とすんなり受け入れる事が出来た。まだまだ作りたい作品があったが、後悔はない。治療せず、作品を少しでも多く遺したい。

『橘涼太朗』の生きた証を。

日高先生も、本当は治療をした方がいいと言っていたが、俺の気持ちを理解し、その代わりに看護師を雇う様に言われた。他人と生活をするなんて考えられなかったが、信頼の出来る人を捜してくれると言うので、受け入れた。


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