看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
「いらっしゃ~い。ちょっと待っててね」とキッチンから声がする。

「何かお手伝いする事ありますか?」

「もう出来るから大丈夫。そこにあるポットで自分でお茶入れて飲んでて」

「は~い」もう、慣れたものだ。

寛いでいると尚子がおはぎを手に入ってきた。

「果歩ちゃん、おはぎ好きだったかしら?」

「はい!大好きです」

「良かった~涼ちゃんも好きだから、持って帰ってね」

「はい。そう言えば先生は?」

「主人は、涼ちゃんの今後を相談しに総合病院まで行ってるわ。私も主人も、涼ちゃんが1日でも長く生きてほしいから」

「そうですよね。本当なら抗がん剤治療をして、少しでも効果があれば手術の可能性もあるのに…」

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