看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
「どうした?今、電話だったのか?」と涼太朗に声を掛けられ我に返る果歩。

「はっはい。日高先生からでした。明後日、病院を受診するようにと。11時半と仰ってました」

「わかった」

「私が運転していきますので。涼太朗さん、体調に変化は?」

「特にない」

「そうですか。どんな小さな事でも教えて下さいね」

「ああ。そう言えば、高木さんはいつ来る予定だったかな?」

「はい。お電話では、明日のお昼からと」

「ここ最近来てなかったから、明日が初対面になるのか」

「はい。電話では何度か連絡をとらしていただいたんですが、直接お会いするのは初めてです」

そう、涼太朗の所に果歩が来てすぐの頃、日高先生から連絡先を聞いて、果歩から高木に連絡を入れたのだ。ビックリした高木は、すぐにでも飛んできたかったのだが、予定が立て込んでいて、果歩が来てからは明日が初めての訪問となるのだ。その間、果歩に何度か連絡があって、会ってはいないが話す機会があったのだ。


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