看取り愛～あなたの子は大切に育てます～

｢私にお願いとは？｣

｢今回も高木さんといつもの職人さんにお願いするんだ。けど、俺が以前のひとり分の仕事を熟せないと思う。一晩中起きている事が出来そうにない。だから、俺と果歩さんで以前の俺ひとり分の仕事をして欲しいんだ｣

｢それはもちろん、喜んでお手伝いさせてもらいます。私でお役に立てますか？｣

｢俺にとって、果歩さんは無くてはならない存在だよ｣涼太朗が、無意識に発した言葉はまるで、愛の告白のようだ。

｢…｣
果歩も、この3カ月で涼太朗の裏表のない発言を聞いてきたが、思わず赤面してしまう。

｢？果歩さん、頬が赤いけどどうした？大丈夫？｣無自覚の涼太朗にはわからないだろう…
果歩は、複雑な思いだが涼太朗は計算も嘘もなく誰よりも誠実だ。

涼太朗の何気ない言葉に振り回されながらも、日々心温まる果歩なのだ。