看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
「確かに、今までにない素晴らしい作品の数々に驚いています」

「正直、余命を宣告された事よりも果歩さんと出会った事が影響してると思います」

「素晴らしい女性ですよね」

「いずれ、彼女には辛い思いをさせてしまう未来でも、俺のワガママだが少しでも時間を共有したい。抗がん剤の辛い副作用があってもすこしでも長生きしたいと思っている。俺は、間違っていますか?」

「先生…」今まで、ひとりで籠もって素晴らしい作品を生み出してきていたが、高木は何かが足りないと思っていた。それは、孤独な生活ゆえ人を愛する心や人間らしい感情が少なかったのだ。

「今後の事、作品は高木さんに全面的にお願いします。ただ、財産やその他の事は、少しずつ相談させて下さい」

「もちろんです」

こんな会話がなされている事など、もちろん果歩は知るよしもない。

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