看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
みんなの見守る中、いよいよ最後の皿と花瓶。

灰の中から皿を取り出し窯から出てきた涼太朗が、太陽の下で灰を払った瞬間、
「これは!!」と興奮した高木と「素晴らしい!」と佐藤の声が重なる。

絶妙な色合いに焼き上がった皿は、世間の注目を一身に集める事間違いなしの仕上がりだ。

オークションでは、億の値が付くのは間違いない。

「先生!こんなに素晴らしい作品を見たことがない。本当、感動です」涙ぐむ高木。

「本当に。お手伝いしただけですが、自分が誇らしいです」と佐藤。

「思っていた通りの出来で良かった。でも、僕は花瓶が一番の自信作なんだ」と最後の作品を取りに窯に入った涼太朗をみんなが無言で見守る。



< 75 / 100 >

この作品をシェア

pagetop