今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
若菜はこちらを見つめ、首を傾げる。
「相澤係長は関係ない!」
陽茉莉は即座に全否定する。
「そ、そっか。じゃあ、別に嫌なことがあったんだね」
陽茉莉の気迫にやや圧倒されたように、若菜は体をのけぞらせる。
「飲みにでも行って話を聞けたらいいんだけど、今日は予定があるんだよね──」
残念そうに若菜が眉尻を下げるのを見て、陽茉莉は閃いた。
(そうよ。最近、潤ちゃんに話を聞いてもらえないからイライラするんだ!)
絶対にそうに違いない。
そうとわかれば、潤ちゃんに会いに行かないと。