今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
同居しているし、部下であるとは言え、陽茉莉のプライベートまで踏み込むのは嫌がられるのではないか。
それをして『やっぱり、同居を解消したいです』と言われるのではないか。
そんなことを恐れて一線を引いていたことが、今になって悔やまれる。
なかなか既読が付かないことに苛立ち、今度は電話をかける。
何回か呼び出したが繋がらず、四回目のかけ直しでようやく電話が繋がった。
「もしもし? こんな時間までどこにいるんだ?」
電話口に向かって喋りかけると、少しの沈黙があって女にしては低い声がした。
『もしもしー。あなた、陽茉莉ちゃんの知り合いかしら? 陽茉莉ちゃん、ちょっと飲み過ぎちゃっておねむになっちゃったのよ。迎えに来られる?』
それをして『やっぱり、同居を解消したいです』と言われるのではないか。
そんなことを恐れて一線を引いていたことが、今になって悔やまれる。
なかなか既読が付かないことに苛立ち、今度は電話をかける。
何回か呼び出したが繋がらず、四回目のかけ直しでようやく電話が繋がった。
「もしもし? こんな時間までどこにいるんだ?」
電話口に向かって喋りかけると、少しの沈黙があって女にしては低い声がした。
『もしもしー。あなた、陽茉莉ちゃんの知り合いかしら? 陽茉莉ちゃん、ちょっと飲み過ぎちゃっておねむになっちゃったのよ。迎えに来られる?』