今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
先日、営業案件でバッティングしたライバル会社を打ち負かしたときには「口ほどにもない」と酷評していたのを陽茉莉は知っている。
けれど、周りからすごいと言われても「たまたま運がよかっただけですよ」と謙遜して爽やかな笑顔を振りまくのはお約束である。
以前ならそんな相澤を見て、陽茉莉は「この猫かぶりが!」とドン引きしていた。
けれど、すっかりと慣れてしまった今では小学生男子みたいなお調子者にしか見えず、むしろなんだが微笑ましくすら見える。
「なんか最近、上司の仕事に取り組む姿勢を近くで見ていて、すごいなぁって。猫かぶりは相変わらずなんですけど」
「ハンサムで仕事ができそうな人だったわ」
「あれ? いつ──」
そこまで言いかけて、ハッとする。
そうだ。あの日の夜は、相澤が陽茉莉をここまで迎えに来てくれたのだった。忘れていた羞恥心が甦る。
けれど、周りからすごいと言われても「たまたま運がよかっただけですよ」と謙遜して爽やかな笑顔を振りまくのはお約束である。
以前ならそんな相澤を見て、陽茉莉は「この猫かぶりが!」とドン引きしていた。
けれど、すっかりと慣れてしまった今では小学生男子みたいなお調子者にしか見えず、むしろなんだが微笑ましくすら見える。
「なんか最近、上司の仕事に取り組む姿勢を近くで見ていて、すごいなぁって。猫かぶりは相変わらずなんですけど」
「ハンサムで仕事ができそうな人だったわ」
「あれ? いつ──」
そこまで言いかけて、ハッとする。
そうだ。あの日の夜は、相澤が陽茉莉をここまで迎えに来てくれたのだった。忘れていた羞恥心が甦る。