今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
◇ ◇ ◇
「それにしても、係長、今日はいつもと様子が違ったな」
自室で、陽茉莉は腕時計を外しながら独りごちる。
初めて〝陽茉莉〟と名前を呼ばれ、不覚にもきゅんとしてしまった。これもそれも、モデル並みのイケメンなのが悪い。
(お酒でも飲んでいたのかな?)
そう思ったけれど、あれだけ近くに寄っても特に酒臭くはなかったから違うと思い直す。そして、先ほどの距離感を思い出してまた顔が赤くなるのを感じた。
──礼也は満月の夜は、オオカミになるから。
ふと、今日高塔から聞いた言葉を思い出した。
(満月の夜は、オオカミになる?)
そういえば、以前に相澤の様子がいつもと違ったのも満月の日だった。
「でも、まさかね」
陽茉莉は首を振り、自分の中に浮かんだ馬鹿げた想像を打ち消した。
「それにしても、係長、今日はいつもと様子が違ったな」
自室で、陽茉莉は腕時計を外しながら独りごちる。
初めて〝陽茉莉〟と名前を呼ばれ、不覚にもきゅんとしてしまった。これもそれも、モデル並みのイケメンなのが悪い。
(お酒でも飲んでいたのかな?)
そう思ったけれど、あれだけ近くに寄っても特に酒臭くはなかったから違うと思い直す。そして、先ほどの距離感を思い出してまた顔が赤くなるのを感じた。
──礼也は満月の夜は、オオカミになるから。
ふと、今日高塔から聞いた言葉を思い出した。
(満月の夜は、オオカミになる?)
そういえば、以前に相澤の様子がいつもと違ったのも満月の日だった。
「でも、まさかね」
陽茉莉は首を振り、自分の中に浮かんだ馬鹿げた想像を打ち消した。