今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
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犬を拾った翌日、残業をしていた陽茉莉は今月の売り上げ実績整理を一段落させると、大きく伸びをした。
「うーん、これでいいかな」
昨日は急遽動物病院に行ったりしたので、寝不足だ。でも、家に帰るとまた変なお化けが出てくるかもしれないからなんとなく帰りたくない。
陽茉莉は口元に手を当ててふわーっとあくびを噛み殺す。
「もう八時か……」
作成すべきものは作ったし、明日の資料も用意したし──。
そこまで考えて、ふとデスクの端に置かれた提案書が目に入る。表紙には『サロン・ド・ブーケ様』と書かれていた。
(ん? サロン・ド・ブーケ? 明日の営業先ってロイヤル・シンフォニーだよね?)
嫌な予感がした。バサッとその提案書を持ち上げ、下を見る。
「ない、ない、ないっ!」
犬を拾った翌日、残業をしていた陽茉莉は今月の売り上げ実績整理を一段落させると、大きく伸びをした。
「うーん、これでいいかな」
昨日は急遽動物病院に行ったりしたので、寝不足だ。でも、家に帰るとまた変なお化けが出てくるかもしれないからなんとなく帰りたくない。
陽茉莉は口元に手を当ててふわーっとあくびを噛み殺す。
「もう八時か……」
作成すべきものは作ったし、明日の資料も用意したし──。
そこまで考えて、ふとデスクの端に置かれた提案書が目に入る。表紙には『サロン・ド・ブーケ様』と書かれていた。
(ん? サロン・ド・ブーケ? 明日の営業先ってロイヤル・シンフォニーだよね?)
嫌な予感がした。バサッとその提案書を持ち上げ、下を見る。
「ない、ない、ないっ!」