今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
第二章 あやかし上司と秘密の同居
1
◆◆ 1
PCに向かって作業していると、ふと背後からひそひそ声が聞こえて来た。時折、「きゃっ」というおおよそ勤務中には相応しくないような黄色い声まで。
何事かと背後を振り返った陽茉莉は、すぐにその理由を理解する。遠目に係長の相澤と商品開発部の高塔副課長が話し込んでいるのを見つけたのだ。
(女子社員がざわついているのは、あれが原因か……)
クールで爽やかな雰囲気の相澤に対し、商品開発部、新商品企画課副課長の高塔一馬は少し眦の下がる優しげな顔立ちをしたイケメンだ。
ふたりは社内で女子社員の人気を二分する、まさに双璧をなす存在だった。
そのふたりが体を寄せて──というと語弊があるかもしれない──肩を並べて、真剣な表情で何かを話し合っているのだ。あそこだけ芸能人の撮影現場だろうかと思うような非日常な光景である。
PCに向かって作業していると、ふと背後からひそひそ声が聞こえて来た。時折、「きゃっ」というおおよそ勤務中には相応しくないような黄色い声まで。
何事かと背後を振り返った陽茉莉は、すぐにその理由を理解する。遠目に係長の相澤と商品開発部の高塔副課長が話し込んでいるのを見つけたのだ。
(女子社員がざわついているのは、あれが原因か……)
クールで爽やかな雰囲気の相澤に対し、商品開発部、新商品企画課副課長の高塔一馬は少し眦の下がる優しげな顔立ちをしたイケメンだ。
ふたりは社内で女子社員の人気を二分する、まさに双璧をなす存在だった。
そのふたりが体を寄せて──というと語弊があるかもしれない──肩を並べて、真剣な表情で何かを話し合っているのだ。あそこだけ芸能人の撮影現場だろうかと思うような非日常な光景である。