緋色の魔女に恋をした
人間には人間を
昼下がりの窓辺で優雅にアフタヌーンティーを楽しんでいるように見えるだろうけど、心の中はそんな弾んだものではない。
嗚呼、拾う人間を間違えた。
「マリー」
あの日、太らせて食べると決めていたはずなのに。
「マリー、聞いてる?」
食事をこれでもかというほど与えた筈なのに。
「マリーってば」
「ねぇ、貴方どうしてそんなに細いの?」
太ることはおろか、それどころか肉付きは悪く、筋肉が多くついた体になってしまったいた。
私はこの身体を作るような食べ物は与えていないはず。
ほとんどが炭水化物で1日5食は与えていたのに。
どこをどう間違えてしまったのか、ぷよぷよではなくほどよい肉に程よい筋肉が付いた体を作ってしまっていた。
とてもじゃないけど、満足に食べることはできない。
「はぁ…」
こんな予定ではなかったはずなのに。
この子を拾ってから9年、立派な18歳に成長してしまった。