緋色の魔女に恋をした



「肉付きの悪そうな人間は食べないの」

「そっかぁ、残念。ならやっぱり恋人になるしかないね」


だからといってその発想はいかがなものかと思うわ。


「はいはい、この話は終わり。明日の準備をするから邪魔しないでね」


しっしと手を払って不貞腐れた彼を退かし、紅茶に手を伸ばして一口口に運ぶと、ほのかにハーブの香りが鼻を抜けていく。

嗚呼、落ち着く。


「マリー、好きだよ」


___これさえなければ。


「ま、別に好きだよって言わせるからいいけどね」


その自信は一体どこから来るのか知りたいわ。


「それより、魔女集会って明日だっけ?」

「昨日も言ったばかりでしょう」

「ごめん、集会には興味なくって」


…たく、興味ないって。

魔女集会というのはその名の通り、私のような魔女が全世界から集まり情報を提供し合うという名のお茶会みたいなもの。


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