翠玉の監察医 Lasting Night
翌日、蘭と星夜、そして圭介と渉は二手に分かれて調査を行うことになった。圭介と渉が黒鳥が演説するという集会に潜入し、蘭と星夜は圭介の父が埋めた袋を探しに行く。
「集会は午前中に終わるらしいので、お昼にまた集合しましょう」
圭介が別れ際にそう言っていると、「圭介くん、早く行きましょう」と村人たちが怖い笑みを浮かべながら声をかけてくる。
「お気をつけて」
蘭はそう言った後、星夜と共に圭介に背を向けて歩き出す。そして、凛と愛に案内してもらう。
「地面が白くなっているね」
自慢の一部だけ白くなっている。蘭はその土を手に取り、「水酸化カルシウムです。恐らく臭いを消すために撒かれたものだと思います」と言った。
スコップを手にし、二人で水酸化カルシウムが撒かれた場所を掘っていく。歳を取った圭介の父には深く掘ることができなかったようで、すぐに袋が見つかる。中からは異臭がする。その匂いが何か、監察医である蘭と星夜はすぐにわかった。