翠玉の監察医 Lasting Night

蘭と星夜は見つけた袋をもう一度埋め、圭介と渉と合流するために歩き出す。ザアッと風が蘭の髪を撫でた。

「蘭」

星夜にサラリと少し伸びた髪を撫でられ、蘭は足を止める。

「星夜さん？どうかされましたか？」

蘭が訊ねると、星夜は「何でもないよ」と言い歩き出す。しかし、しばらくすると振り返って「やっぱり用事あった」と言った。

「無事に全部終わったらキスしてもいい？」

「はい」

蘭は頰を赤くし、微笑む星夜を見つめる。その時、「集会が終わりました」と圭介から連絡があり、二人は走り出した。



集会で見た黒鳥について、圭介は「なかなかの美人でしたよ」と言いながら集会の様子などを語る。

集会には村人のほとんどが参加し、ステージの上で平安時代の貴族のような十二単を着た黒鳥が延々と話すものだったそうだ。

「でも、演説の内容は「自分に逆らった容赦なく殺せ」とかサイコな発言ばかりでした。あと、途中で可愛い女の子の血を飲む儀式とかしてたり……。かなりヤバいですよ」