翠玉の監察医 Lasting Night

三 守りたい

その日の夜、食事を食べ終えた後、圭介は両親に話しかけた。

「凛ちゃんと愛ちゃんを渉の家に連れて行くよ。渉、ハムスターを飼ったらしくて二人に名前を決めてもらいたいんだって」

圭介がそう言うと、圭介の両親は「遅くならないならいいよ」と許可してくれた。圭介は「行こう」と凛と愛に声をかける。蘭と星夜も立ち上がった。

「おや？二人も行くのかい？」

圭介の父が言い、蘭が「星夜さんもハムスターが好きなんです」と言う。そして星夜の手を引いて圭介たちの共に家を出た。

蘭と星夜もボディーガードとして一緒に行くことにしたのだ。五人は暗い中、周りを警戒しながら歩く。渉の家は神社をしているため、山の中にある。

「不気味だね」

「怖い……」

凛と愛は手を強くつなぎ、蘭は不意に星夜に抱き寄せられる。かなり歩きにくい。

「星夜さん、歩きにくいです」

「ごめん。でも、こうしていたくて」

神社へ続く長い階段を登る。そして、目の前に現れた光景に圭介が「はっ？」と呟く。