翠玉の監察医 Lasting Night

四 甘い時間は突然に

桜木刑事に事情を全て話し、村人たちや黒鳥は連行されていった。渉は病院へ搬送され、凛と愛は保護されることになり、蘭と星夜と圭介はホテルを手配してもらい、そこで休むことになったのだが……。

「深森くん、ごめんね。もう部屋で休むね。蘭とは話したいこともたくさんあるわけだし」

「は、はい。おやすみなさい」

早口、かつ怖い笑みを浮かべる星夜に圭介が返事をすると、二人の様子を伺っていた蘭は星夜に手を掴まれ、部屋に連れて行かれる。

「星夜さん？」

星夜に声をかけても星夜は黙り込んだままだ。蘭は星夜の手を振り解こうとするが、星夜はさらに手に力を入れる。体術を使うわけにもいかず、蘭は黙って星夜に手を引かれていく。

星夜と蘭の泊まる部屋に入ると、蘭は星夜にベッドに投げ飛ばされる。否、押し倒されたのだが、動きが早かったため、蘭は投げ飛ばされたのではと感じたのだ。目の前には星夜がいる。

「せ、星夜さん……」