運命の一夜を越えて
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「もういいから。大丈夫。大丈夫。」

泣いて落ち着かない私の体を抱きしめながら、渉は背中を落ち着くリズムでたたいてくれる。
私の大好きになったお日様の香りがする胸の中で、私はそれ以上何も言えなくなってしまった。




あの時・・
すべてを言える強さが私にあったら・・・

今とは違う未来が私たちにあったはず・・・

でも・・・

あの時の私には精いっぱいだった。
あれ以上は言葉にできる強さがなかった・・・
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