運命の一夜を越えて
大通りの方へ向かって歩いていくと・・・

そこには見慣れた黒い車が停まっていた。


どうして・・・いるのよ・・・


一気に全身から力が抜けていく・・・


「彩っ!」
私を見つけたその人は、私の方にコートを翻すようにして駆け寄ってきた。

崩れそうだった私の体をしっかりと抱き留めると、私の方を心配そうにのぞき込む。
「どうした?大丈夫か?」そう言って心配そうな顔をする。

「なんでいるのよ・・・」
「会いたかったから」
「どうしているのよ・・・」
「彩と会いたかったから」
私は渉の胸をどんどんとたたく。
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