運命の一夜を越えて
眠れないまま迎えた朝。
私は約束通りに始発で実家へと向かった。

実家についてからは目が回るほど忙しかった。
ちょうど年末の忙しい時期。
お正月にかからないようにお通夜や葬式をするためには、日程を早めないとならなかった。

母は弔問客の対応をして、私はいろいろと段取りしたり葬儀会社との細かな打ち合わせをする。

夕方になるころには翌日にしたお通夜に合わせて遠方からの親戚が集まってきた。

「お母さん、ビール買ってくるね」
「うん、一緒に何かおつまみと果物でも買ってきてくれる?」
「うん」
いろいろと足りないものが多く、私は何度目かの買い出しに向かうことにした。
この辺では個人商店くらいしか店がなく、その個人商店も夜8時には閉まってしまう。その前にと急いで買い物へ向かった。

こういう時、運転免許を持っていればよかった・・・
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