運命の一夜を越えて
しばらくかみしめるように抱きしめあった後、渉は私に梅干しのおにぎりを作ってくれた。
渉の大きな手で握ったおにぎりはかなり大きくて、半分食べたところでさすがに胃が痛くなって、残してしまった。
あまりに量を食べられない私に渉と母は切なそうな表情をしてから、一度に食べられないなら何度かに分けて食べたらいいと言ってくれた。
「この梅干しおばあちゃんが作ったのよ。」
母の言葉に渉は私が食べきれなかった分のおにぎりをぱくりと一口で食べた。
その気持ちがうれしい。
「彩?」
「彩・・・」
母と渉に顔を覗き込まれて私は「ん?」と顔をあげた。
渉が大きな手で私の頬に触れた時、自分が泣いていることに気が付いた。
「・・・なんだろ」
自分でも無意識に流れ出した涙が止まらない。
渉の大きな手で握ったおにぎりはかなり大きくて、半分食べたところでさすがに胃が痛くなって、残してしまった。
あまりに量を食べられない私に渉と母は切なそうな表情をしてから、一度に食べられないなら何度かに分けて食べたらいいと言ってくれた。
「この梅干しおばあちゃんが作ったのよ。」
母の言葉に渉は私が食べきれなかった分のおにぎりをぱくりと一口で食べた。
その気持ちがうれしい。
「彩?」
「彩・・・」
母と渉に顔を覗き込まれて私は「ん?」と顔をあげた。
渉が大きな手で私の頬に触れた時、自分が泣いていることに気が付いた。
「・・・なんだろ」
自分でも無意識に流れ出した涙が止まらない。