運命の一夜を越えて
私たちはおばあちゃんの葬儀が終わってから少しして、一緒に暮らし始めた。
私の母には直接会って報告し、渉の父には渉が連絡をしてくれた。

そして、付き合って一年の記念日に私たちは入籍をした。

一生誰かと結婚することはないだろうと思っていたのに、結婚することができた。

毎日愛する人の腕の中で目覚めて、毎日愛する人と抱きしめあって眠る。
それがこんなにも心満たされることなのかと思い知る毎日。

渉にすべてを打ち明けなければ、得られなかった幸せの時間。
渉がいなければ私は一生この幸せを知らずに生きていたと思うと、出会いの奇跡に感謝をせずにいられなかった。

結婚式は暖かくなってからしようと約束をしていた。

もちろん、将来についても二人で話し合った。
お互いの両親が別々の場所にいる私たち。
将来的には渉のお父さんがいる北海道に私たちはいくつもりだ。
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