運命の一夜を越えて
「今日の体調は?」
父の問いに妻はにっこりと微笑んでから手で丸を作った。

「そうか。よかったよかった。用心しなさい。」
父の言葉に頷きながら妻は俺の方に近づいた。

「彩は座ってて。もうすぐできるから。」
俺の言葉に首を横に振って彩は手伝い始めた。

顔色が今日はいい。

最近、顔色のいい日が増えた。

まだ、疲れやすく体力が戻っていない妻。

キッチンに長く立つことも、まだ妻にとっては負担が大きい。

「薬、先にのまないとな。」
妻は大量の薬を服薬している。
食前も食後も、大量だ。
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