運命の一夜を越えて
「苦しくない?」
私は出産を終えてから常に高濃度の酸素を鼻からチューブで吸っている。
渉は私がつながれている点滴や管が外れないように、慎重に私を抱き寄せる。
「大丈夫・・・」
「そっか。マスクは?いらない?」
すっかり医療用の酸素マスクの操作も覚えた渉。
鼻からのチューブでは苦しい時は口にマスクをあてて酸素を取り込む。
「大丈夫・・・」
「そっか。」
私の背中を優しくさする渉。
その手が温かい。
「彩」
「ん?」
「愛してる」
「私も・・・あいしてる・・・」
本当は声を失う前にたくさん話がしたいのに、今でも気管が腫瘍で圧迫されていて話をするとすぐに息苦しくなってしまう。
私は出産を終えてから常に高濃度の酸素を鼻からチューブで吸っている。
渉は私がつながれている点滴や管が外れないように、慎重に私を抱き寄せる。
「大丈夫・・・」
「そっか。マスクは?いらない?」
すっかり医療用の酸素マスクの操作も覚えた渉。
鼻からのチューブでは苦しい時は口にマスクをあてて酸素を取り込む。
「大丈夫・・・」
「そっか。」
私の背中を優しくさする渉。
その手が温かい。
「彩」
「ん?」
「愛してる」
「私も・・・あいしてる・・・」
本当は声を失う前にたくさん話がしたいのに、今でも気管が腫瘍で圧迫されていて話をするとすぐに息苦しくなってしまう。