運命の一夜を越えて
「俺と出会ってくれて、結婚してくれて、光っていう天使を授けてくれて、ありがとう。愛してる。」

私は眠りにつく直前まで渉に愛を伝えた。


たくさん伝えたいことはあるけれど、結局、愛してるとありがとうにつながる。


眠りにつく直前、渉の声が全身に響いてくる。

「彩、愛してる。生きろ。必ず、生きてくれ。声なんて聴けなくていい。絶対に忘れないから。だから、頑張ろうな。一緒に生きよう。俺と、彩と、光と。一緒にいよう。」

低く落ち着いた渉の声。
その声が少し震えている。

本当はごめんねと謝りたい。
迷惑をかけて、心配をかけて、ごめんね。こんな奥さんでごめんねと。
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