運命の一夜を越えて
点滴が終わると私は再び彼に肩を支えられて、彼の香りのするダウンジャケットに体を包まれて、彼の車に乗り込んだ・・・


私がまだ点滴をしているときに病院の会計まで済ませてくれていた彼。
薬局で薬も受け取ってくれていたらしい。


車に乗り込んでから私は自分のバックから財布を出そうとすると彼は「次に会う口実にするから、だめ」と私のバックを後部座席に移動してしまった。

久しぶりに泣いた目が腫れているせいかぼやけて見える。


「寝てていいから」
そう言って彼は私にシートベルトをして、ハンドルを握った。


私は疲れ果てている体から力を抜いて眠りに落ちた。
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