誰よりも近くで笑顔が見たい
次の日、上原くんから電話があった。


『昨日、ごめん』


申し訳なさそうな彼に優しい気持ちになる。


「いいの。それより、大、丈夫?」


『うん。平気』


私の言葉に上原くんの思い詰めたような声が柔らかく変わる。


「よかった」


『ありがと。あと、マフラーも』


気づいて、くれたんだ。


「うん」


『俺も渡したい。明日、いい?』


そう聞かれて、嬉しくなる。


「うん。ありがとう」


そう言うと、ふっと笑う声がして電話が切れた。


次の日の朝ベッドから降りてスマホを見ると、上原くんからメッセージが届いていた。


『1時に学校前の公園で。部活あるから遅れそうだったら連絡する』


冬休みに入っても部活ってあるんだなあ。


返信をして、もう一度ベッドに戻る。
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